神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

ケオース(2):起源

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ (上:コレーシアの町) ケオースの起源伝説を探してみましたが、私は、前回ご紹介したカリマコスの「アコンティオスとキュディッペ」の中の記述しか見つけることが出来ませんでした。しかもこの記述がとても難解です。それ…

ケオース(1):ケオースのライオン

ケオース:目次へ ・次へ ケオース島はアテーナイの近くにあり、住民もアテーナイに由来すると伝えられています。そのことについては歴史家ヘーロドトスも アテナイ人の分れでイオニア族であるケオス人が・・・・ ヘロドトス著「歴史」巻8、46 から 歴史 …

ケオース:目次

都市一覧へ 1:ケオースのライオン ケオース島はアテーナイの近くにあり、住民もアテーナイに由来すると伝えられています。そのことについては歴史家ヘーロドトスも アテナイ人の分れでイオニア族であるケオス人が・・・・ ヘロドトス著「歴史」巻8、46 …

コリントス(25):アリステウス(2)

コリントス:目次へ ・前へ ポテイダイアの件だけが理由ではありませんでしたが、スパルタの民議会は開戦を決定しました。 (スパルタの監督官ステネラーイダースは)監督官の職権を発動して、ラケダイモーン人(スパルタ人)の民議会に決議を要求した。(中…

コリントス(24):アリステウス(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ ポテイダイア人およびアリステウス麾下のペロポネーソスの諸兵は、アテーナイ勢の進撃を待ちもうけて、オリュントス寄りの陸峡地帯に陣地をもうけ、ポテイダイアの城郭の外側にアゴラ(=交易所)を設置した。さて同盟軍の…

コリントス(23):ポテイダイア

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ コリントス人が先の事件(=ケルキューラとアテーナイの連合軍との海戦)の報復をとげようとして策動しはじめると、アテーナイ人はかれらの敵意の赴くところを察知して、つぎの手段をえらんだ。パレーネーの陸峡地帯にある…

コリントス(22):エピダムノスをめぐる戦い

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ BC 431年からBC 404年までだらだらと続いたペロポネーソス戦争は、アテーナイを盟主とするデーロス同盟とスパルタを盟主とするペロポネーソス同盟の戦いであり、その原因はアテーナイの勢力拡大をスパルタとその同盟諸国が…

コリントス(21):アデイマントス

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ BC 480年のペルシア軍侵攻の時にコリントスの水軍の司令官は、アデイマントスという人物でした。歴史家ヘーロドトスはこのアデイマントスのことを、アテーナイの将軍テミストクレースを引き立てるためのの敵役として語って…

コリントス(20): ペルシア戦争まで

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ ペリアンドロスが死んだのがBC 585年です。ペリアンドロスのあとはその甥のプサンメティコスがコリントスの僭主となり3年間統治したのち暗殺されました。この後、コリントスは貴族制に戻ります。これ以降コリントスについ…

コリントス(19):リュコプローン(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ リュコプローンの話を続けます。 年月は流れてペリアンドロスも老い、自分にもはや政務を執る力のないことを悟ると、ケルキュラに使いをやり、リュコプロンを呼び寄せて僭主の地位につけようとした。兄息子の方は常人より…

コリントス(18):リュコプローン(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ 前回のつづきです。 年下の息子(=リュコプローン)を追い出した後、ペリアンドロスは兄息子(=キュプセロス)から、(母方の)祖父(=プロクレース)が彼らに何を話したのか聞き出そうとした。息子は祖父が親切にもて…

コリントス(17):ペリアンドロス(3)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ ペリアンドロスがミーレートスの僭主トラシュブーロスを助けたという話があります。 この頃ミーレートスは毎年、サルディスを首都とするリュディア王国から攻撃を受けていました。当時のリュディア王だったアリュアッテス…

コリントス(16):ペリアンドロス(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ キュプセロスとペリアンドロスは、コリントスの商工業を盛んにしました。そのためコリントス人は、以下のように評されました。 技術的職業を軽んずることが最も少ないのはコリントス人である。 ヘロドトス著「歴史」巻2、…

コリントス(15):ペリアンドロス(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ キュプセロスの子で後継者のペリアンドロスについては、多くの話が伝えられています。まずは、ペリアンドロスの治世に起こったというアリオーンとイルカの話を紹介します。 ペリアンドロスはキュプセロスの息子で、(中略…

コリントス(14):キュプセロス

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ さて、前回ご紹介した話に続けてヘーロドトスは エエティオンのその子供は、その後すくすくと育ち、櫃(キュプセレー)によって難を免れたというので、キュプセロスと名附けられた。 ヘロドトス著「歴史」巻5、92 から …

コリントス(13):ラブダ

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ BC 657年、レーラントス戦争が終わった頃に、コリントスのポレマルコス(軍事指導者)の地位にあったキュプセロスは、バッキアダイを追放し、コリントスの僭主になりました。キュプセロスの母親ラブダは、バッキアダイの一…

コリントス(12):植民活動

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ コリントスがいつから植民市を建設し始めたのかは分かりませんが、Wikipedia英語版の「コルフ島」(古代ギリシアでの名前は「ケルキューラ島」)の項によれば、BC 730年頃にケルキューラ島に植民市を作っています。ケルキ…

コリントス(11): バッキアダイ

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ アレーテースののち、いわゆる暗黒時代に突入します。それは伝説の伝わっていない時代です。英語版の「バッキアダイ(バッキスの子孫)」の項には、アレーテースに続くコリントス王の名前と在位年代が書かれていました。こ…

コリントス(10):ヘーラクレイダイの侵攻(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ アルゴスの君侯の一人であったアルクマイオーンは、母親を殺したため、復讐の女神(エリーニュス)たちに追われて諸国をさまよっていました。彼が母親を殺さざるを得なかったことに関しては、女神ハルモニアーのペプロス(…

コリントス(9):ヘーラクレイダイの侵攻(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ ダーモポーンがコリントス王の時にヘーラクレイダイ(ヘーラクレースの子孫たち)が攻めてきました。おそらくこれは、トロイア戦争より以前の、1回目の侵攻のことだと思います。では、その話をいたします。 ヘーラクレー…

コリントス(8):アンティオペー

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ さて、ベレロポンテースの息子ヒッポロゴスのそのまた息子がグラウコスで、このグラウコスはリュキアの王として、トロイア戦争にトロイア側として参戦しています。 さて、ヒッポロコスが私(=グラウコス)を設けた、憚り…

コリントス(7):ベレロポンテース(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ キマイラを退治したベレロポンテースに対し、リュキア王はさらにソリュモイ族とアマゾーン族の退治を命じ、それでもベレロポンテースが死ななかった場合に備えて、リュキア国内の勇士を集めて、彼を待ち伏せて殺す手配をし…

コリントス(6):ベレロポンテース(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ コリントス市にまつわる伝説において一番有名な英雄はベレロポンテースです。ベレロポンテースはシーシュポスの息子グラウコスの息子でした。 そのグラウコスが今度は 人品すぐれたベレロポンテースを生んだ。 ところが、…

コリントス(5):シーシュポス(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ さて、河神アーソーポスはその後どうしたかといいますと、やがてゼウスに追いつきました。するとゼウスは無礼者と一喝して得意の武器である稲妻をアーソーポスに投げつけました。雷を浴びてアーソーポスは身体の一部が炭化…

コリントス(4):シーシュポス(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ メーデイアはその後、アテーナイにおもむき、アテーナイ王アイゲウスの妻になりました。アイゲウスがトロイゼーンのアイトラーに生ませた子テーセウスが成人して、アイゲウスに会いに来た時に、メーデイアはこれを毒殺しよ…

コリントス(3):メーデイア

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ メーデイアは、コルキス(今のジョージアあたり)で生まれました。父親はかつてコリントスの王であったアイエーテースで、太陽神ヘーリオスの息子で、今は、コルキスの王でした。彼は金羊毛皮という宝を所有しており、これ…

コリントス(2):ブーノスからメーデイアまで

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ (上:アクロコリントス) ある伝説では、ブーノスとメーデイアの間には何人ものコリントス王が存在したことになっています。それによれば、ブーノスの死後、エポーペウスが王位を継承しました。エポーペウスは当時シキュ…

コリントス(1):はじめに

コリントス:目次へ ・次へ コリントスはギリシア本土のペロポネーソス半島の附け根にある町で、そこは大地が狭くなっており、交通の要衝となっていました。町の北と東南の2方向から海が迫っています。そして町の北にはレカイオーンという名の港が、東南に…

コリントス:目次

都市一覧へ 1:はじめに コリントスはギリシア本土のペロポネーソス半島の附け根にある町で、そこは大地が狭くなっており、交通の要衝となっていました。町の北と東南の2方向から海が迫っています。そして町の北にはレカイオーンという名の港が、東南には…

エリュトライ(8):ペルシア戦争

エリュトライ:目次へ ・前へ その後、ペルシアはギリシア本土に侵攻します。BC 490年の1回目の侵攻にエリュトライが従軍を強いられたかどうかよく分かりませんが、BC 480年の2回目の侵攻にはおそらく従軍を強いられたと想像します。北から侵入してきたペル…