神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

レームノス島(ミュリーナとヘーパイスティア)(4):ヒュプシピュレー

レームノス島:目次へ ・前へ ・次へ アルゴー号というのは船の名前です。アルゴー号を率いるイアーソーンは、黒海東岸にあるコルキスの地(今のジョージア)を目指していました。それは、そこにある黄金の羊の毛皮を奪うためでした。そしてそれは、不当に奪…

レームノス島(ミュリーナとヘーパイスティア)(3):トアース

レームノス島:目次へ ・前へ ・次へ 神話の世界でレームノス島の王として名前が挙がっているのがトアースです。彼はブドウ酒の神ディオニューソスとその妃アリアドネーの子供でした。アリアドネーが人間の女の身でどうしてディオニューソスの妃になったのか…

レームノス島(ミュリーナとヘーパイスティア)(2):カベイロイ

レームノス島:目次へ ・前へ ・次へ レームノス島では、ヘーパイストスと関連してカベイロイに対する信仰もありました。このカベイロイという言葉は複数形であり、単数はカベイロスと言います。ですので、カベイロイはカベイロスたちということになります。…

レームノス島(ミュリーナとヘーパイスティア)(1):ヘーパイストス

レームノス島:目次へ ・次へ レームノス島はエーゲ海の東の北側に浮かぶ島です。今は休火山になっていますが、ギリシア古典期には活火山の島でした。そのため、レームノス島は、ギリシア神話における火と鍛冶の神であるヘーパイストスと関連づけられていま…

レームノス島(ミュリーナとヘーパイスティア):目次

都市一覧へ 1:ヘーパイストス レームノス島はエーゲ海の東の北側に浮かぶ島です。今は休火山になっていますが、ギリシア古典期には活火山の島でした。そのため、レームノス島は、ギリシア神話における火と鍛冶の神であるヘーパイストスと関連づけられてい…

ヘルミオネー(12):ペルシア戦争

ヘルミオネー:目次へ ・前へ やがてクセルクセース王率いるペルシアの陸軍と海軍がギリシアの北から南下してきました。ところが、ヘルミオネーはペルシアの脅威に対して最初はあまり認識を持っていなかったように見えます。 少なくとも、陸におけるテルモピ…

ヘルミオネー(11):ラソス

ヘルミオネー:目次へ ・前へ ・次へ ヘルミオネーがヒュドレイア島をサモス人たちに売却して数年後のことですが、アテーナイで活躍するヘルミオネー出身の詩人がいました。彼の名はラソスでした。この頃、アテーナイを支配していたのはペイシストラトスの子…

ヘルミオネー(10):ヒュドレイア島

ヘルミオネー:目次へ ・前へ ・次へ ヘルミオネーが領有していたヒュドレイア島は、そこにある泉にちなんでギリシア語の水を意味するヒュドレアから名づけられました。現在ではイドラ島と呼ばれ、エーゲ海ミニクルーズの船が寄港する観光地になっています。…

ヘルミオネー(9):カラウレイア同盟

ヘルミオネー:目次へ ・前へ ・次へ ドーリス人の南下よりのちの時代のヘルミオネーについて、英語版のWikiediaでは以下のように説明しています。 ヘルミオネーはドリュオピス人の町の中で最も重要であったようであり、かつては隣接する海岸のより大きな部…