神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

スミュルナ(7):ミムネルモス(1)

スミュルナ:目次へ ・前へ ・次へ スミュルナには、アレクサンドロス大王の指示によって建設された新スミュルナと、それまでの旧スミュルナの2つの町がありました。今回は旧スミュルナの盛期を生きたスミュルナ人であるミムネルモスをご紹介します。ミムネ…

スミュルナ(6):荒廃と復興

スミュルナ:目次へ ・前へ ・次へ スミュルナ占領に失敗したリュディア王ギュゲースは、その後、北からやってきた遊牧民のキンメリア人と戦って死にました。キンメリア人はその後西へと進んでエーゲ海岸沿いを襲撃していくのですが、スミュルナがキンメリア…

スミュルナ(5):スミュルナの市壁

スミュルナ:目次へ ・前へ ・次へ 英語版Wikipediaの「Fortifications of ancient Smyrna。古代スミルナの要塞」によると、スミュルナはBC 9世紀から頑丈な壁に囲まれていました。これはこの時代では比較的まれなことだったそうです。そのように頑丈な市壁…

スミュルナ(4):ホメーロス

スミュルナ:目次へ ・前へ ・次へ もっとも、ホメーロスを自分の町の出身だと主張する町はスミュルナ以外にも多くありました。古代のホメーロスの伝記のひとつには次のように書かれているということです。 さてホメーロスを、ピンダロス Pindaros はキオス …

スミュルナ(3):アイオリス人の到来

スミュルナ:目次へ ・前へ ・次へ ギリシア人でスミュルナに植民したのは、ギリシア人の一派であるアイオリス人でした。しかし、その植民に関する物語を、残念ながら私は見つけることが出来ませんでした。さて、スミュルナはアイオリス人の都市連合の一員と…

スミュルナ(2):リュディア人のウンブリア移住

スミュルナ:目次へ ・前へ ・次へ ヘーロドトスはその「歴史」のなかで、リュディアには3つの王朝があったと述べています。 最初の王朝はアテュスの子リュドスが開いたもので、リュディア人の名はこのリュドスに由来すると述べます。その王朝が何年続いた…

スミュルナ(1):リュディア人のスミュルナ

スミュルナ:目次へ ・次へ スミュルナは、トルコ第3の都市イズミールにかつてあったギリシアの植民市です。現在の地名イズミールも、元の名前スミュルナに由来するそうです。 このスミュルナの起源ですが、ギリシア神話ではアマゾーン族の一人スミュルナー…

スミュルナ:目次

都市一覧へ 1:リュディア人のスミュルナ スミュルナは、トルコ第3の都市イズミールにかつてあったギリシアの植民市です。現在の地名イズミールも、元の名前スミュルナに由来するそうです。このスミュルナの起源ですが、ギリシア神話ではアマゾーン族の一…

タソス(11):その後のタソス

タソス:目次へ ・前へ 格闘家テアゲネースの晩年は、自身の華々しい活躍にもかかわらず、タソスの衰退期にあたっていました。タソスはペルシア戦争後、アテーナイを盟主とするデーロス同盟に参加したのですが、アテーナイは自身の勢力が増大するにつれてタ…