神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

テーノス(2):極北人からの捧げもの

テーノス:目次へ ・前へ ・次へ テーノス島が登場するもう一つの神話は、北の果ての国に住み、アポローン神を崇拝する極北人(ヒュペルボレオイ)という神話的な種族が、アポローン神の聖地であるデーロス島に捧げものを送る際に、その供物がテーノス島を通…

テーノス(1):カライスとゼーテース

テーノス:目次へ ・次へ テーノスはキュクラデス諸島の中の1つの島で、アンドロス島、ミュコノス島、デーロス島のそばにあります。近現代ではこの島は奇跡の聖母マリアのイコン(聖なる絵)の伝説による巡礼の地として知られています。すなわち、1822年に…

テーノス:目次

都市一覧へ 1:カライスとゼーテース テーノスはキュクラデス諸島の中の1つの島で、アンドロス島、ミュコノス島、デーロス島のそばにあります。近現代ではこの島は奇跡の聖母マリアのイコン(聖なる絵)の伝説による巡礼の地として知られています。すなわ…

アカントス(8):その後のアカントス

アカントス:目次へ ・前へ (上:アカントスの遺跡) アテーナイとスパルタの間の戦争(ペロポネーソス戦争)は、BC404年にスパルタの勝利で終結しました。その後しばらくはスパルタがギリシア世界の覇権を握りました。しかし、アカントスに対するスパルタ…

アカントス(7):平和条約

アカントス:目次へ ・前へ ・次へ このあとブラーシダースとその軍は、予定通りアンピポリスを陥落させ、占拠しました。それからも彼はカルキディケー地方の町々を次々とスパルタ側に寝返らせていきました。 ブラーシダースはアムピポリス攻略後、同盟の諸…

アカントス(6):ブラーシダース

アカントス:目次へ ・前へ ・次へ カルキディケー地方に到達したブラーシダースの軍は、アテーナイ勢が根拠地にしているポテイダイアを通り過ぎてアカントスにやって来ました。これはアカントスの貴族派の人々が呼んだからなのですが、市民の大多数はそのこ…

アカントス(5):ペロポネーソス戦争

アカントス:目次へ ・前へ ・次へ 翌年(BC 479年)、マルドニオスはペルシア軍を率いてギリシア本土を南下し、再びアテーナイを占領しました。しかしその後プラタイアの戦いで、ギリシア軍に敗北し、マルドニオスは戦死しました。ほぼ同じ頃、ギリシアの連…

アカントス(4):サラミースの海戦

アカントス:目次へ ・前へ ・次へ 前回お話ししたクセルクセースの運河ですが、そもそもこの運河はそれほど必要ではなかったとヘーロドトスは書いています。運河建設はクセルクセースの見栄だと彼は言います。権力者の見栄のために多くの人々が苦労するとい…

アカントス(3):クセルクセースの運河

アカントス:目次へ ・前へ ・次へ BC 490年のペルシアによるギリシア遠征は、アテーナイに敗北する結果となります。その後ペルシア王ダーレイオスは、再度の遠征を準備しますが、その途中で死亡します。ダーレイオスの息子のクセルクセースが即位し、ギリシ…

アカントス(2):ペルシアの支配

アカントス:目次へ ・前へ ・次へ 英語版のWikipediaの「アカントス」の項によれば、アカントスの港を通して交易されるのは、近くの森林からの木材や鉱物(おそらく銀)、そして農産物だったということです。さて、コインが発行され始めたBC 530年頃は東か…