神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

サモス(9):ポリュクラテース(3)

サモス:目次へ ・前へ ・次へ 幸運に恵まれ、栄華を享受していたポリュクラデースでしたが、アポローン祭典の挙行ののち、まもなくあるペルシア人によって殺されてしまったのでした。どのように殺されたのか、ヘーロドトスは マグネシアへ着いたポリュクラ…

サモス(8):ポリュクラテース(2)

サモス:目次へ ・前へ ・次へ さてギリシアで一番強いという評判のスパルタは、サモス人たちの要請を受け入れて(というのもこのサモス人たちはポリュクラテースによって戦場の捨て石にされることになっていたためにポリュクラテースに反旗を翻したからです…

サモス(7):ポリュクラテース(1)

サモス:目次へ ・前へ ・次へ (おそらく)BC 532年、ポリュクラテース、パンタグノス、シュロソーンの3兄弟が、ヘーラーの神域において祭典を行っているサモス人の主だった者たちを殺し、アクロポリスを占拠して政権を奪い取る、という事件がありました。…

サモス(6):サルディスの陥落

サモス:目次へ ・前へ ・次へ では、話をサモスの歴史と伝説に戻します。 レーラントス戦争の終結の後、キンメリア人が馬に乗って東から小アジアに進入し、エペソスなどを襲った時に、海を隔てたサモスにはキンメリア人が襲ってくることはありませんでした…

サモス(5):女神ヘーラーをめぐって

サモス:目次へ ・前へ ・次へ 女神ヘーラーが本来、どのような神格であったのかについて、高野義郎著「古代ギリシアの旅:創造の源をたずねて」古代ギリシアの旅―創造の源をたずねて (岩波新書)作者:高野 義郎岩波書店Amazonが、示唆に富む説明をしています…

サモス(4):ヘーラー神殿

サモス:目次へ ・前へ ・次へ サモスで有名だったのは、ギリシア神話で神々の王ゼウスの正妻とされるヘーラーに捧げられた巨大な神殿でした。この神殿はサモスの町の西6kmのところにありました。残念なことに今では上の画像のように柱が1本残っているだけ…

サモス(3):ジブラルタル海峡を越えて

サモス:目次へ ・前へ ・次へ この頃サモスに、エジプトとの交易で財を成したコライオスという船主がいました。その人がいつものようにサモスからエジプトに航海している時に、船が東風に流されてリビア沿岸の近くにあるプラテア島という島に漂着しました。…

サモス(2):ミーレートスとの抗争

サモス:目次へ ・前へ ・次へ サモスが建設されたのち、サモスはイオーニア12市の同盟に参加しました。この同盟にはサモスのほかに、ミーレートス、ミュウス、プリエーネー、エペソス、コロポーン、レベドス、テオース、クラゾメナイ、ポーカイア、キオス…

サモス(1):サモス植民

サモス:目次へ ・次へ サモスは、ミーレートスの近くに浮かぶエーゲ海の島です。その島にピタゴリオという町がありますが、古代ではここが島の名前と同じサモスという名前の町でした。なぜ現代ではその町をピタゴリオになっているのかと言いますと、数学の…

サモス:目次

都市一覧へ 1:サモス植民 サモスは、ミーレートスの近くに浮かぶエーゲ海の島です。その島にピタゴリオという町がありますが、古代ではここが島の名前と同じサモスという名前の町でした。なぜ現代ではその町をピタゴリオになっているのかと言いますと、数…