神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

コリントス(20): ペルシア戦争まで

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ ペリアンドロスが死んだのがBC 585年です。ペリアンドロスのあとはその甥のプサンメティコスがコリントスの僭主となり3年間統治したのち暗殺されました。この後、コリントスは貴族制に戻ります。これ以降コリントスについ…

コリントス(19):リュコプローン(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ リュコプローンの話を続けます。 年月は流れてペリアンドロスも老い、自分にもはや政務を執る力のないことを悟ると、ケルキュラに使いをやり、リュコプロンを呼び寄せて僭主の地位につけようとした。兄息子の方は常人より…

コリントス(18):リュコプローン(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ 前回のつづきです。 年下の息子(=リュコプローン)を追い出した後、ペリアンドロスは兄息子(=キュプセロス)から、(母方の)祖父(=プロクレース)が彼らに何を話したのか聞き出そうとした。息子は祖父が親切にもて…

コリントス(17):ペリアンドロス(3)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ ペリアンドロスがミーレートスの僭主トラシュブーロスを助けたという話があります。 この頃ミーレートスは毎年、サルディスを首都とするリュディア王国から攻撃を受けていました。当時のリュディア王だったアリュアッテス…

コリントス(16):ペリアンドロス(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ キュプセロスとペリアンドロスは、コリントスの商工業を盛んにしました。そのためコリントス人は、以下のように評されました。 技術的職業を軽んずることが最も少ないのはコリントス人である。 ヘロドトス著「歴史」巻2、…

コリントス(15):ペリアンドロス(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ キュプセロスの子で後継者のペリアンドロスについては、多くの話が伝えられています。まずは、ペリアンドロスの治世に起こったというアリオーンとイルカの話を紹介します。 ペリアンドロスはキュプセロスの息子で、(中略…

コリントス(14):キュプセロス

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ さて、前回ご紹介した話に続けてヘーロドトスは エエティオンのその子供は、その後すくすくと育ち、櫃(キュプセレー)によって難を免れたというので、キュプセロスと名附けられた。 ヘロドトス著「歴史」巻5、92 から …

コリントス(13):ラブダ

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ BC 657年、レーラントス戦争が終わった頃に、コリントスのポレマルコス(軍事指導者)の地位にあったキュプセロスは、バッキアダイを追放し、コリントスの僭主になりました。キュプセロスの母親ラブダは、バッキアダイの一…