神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コリントス(5):シーシュポス(2)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ さて、河神アーソーポスはその後どうしたかといいますと、やがてゼウスに追いつきました。するとゼウスは無礼者と一喝して得意の武器である稲妻をアーソーポスに投げつけました。雷を浴びてアーソーポスは身体の一部が炭化…

コリントス(4):シーシュポス(1)

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ メーデイアはその後、アテーナイにおもむき、アテーナイ王アイゲウスの妻になりました。アイゲウスがトロイゼーンのアイトラーに生ませた子テーセウスが成人して、アイゲウスに会いに来た時に、メーデイアはこれを毒殺しよ…

コリントス(3):メーデイア

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ メーデイアは、コルキス(今のジョージアあたり)で生まれました。父親はかつてコリントスの王であったアイエーテースで、太陽神ヘーリオスの息子で、今は、コルキスの王でした。彼は金羊毛皮という宝を所有しており、これ…

コリントス(2):ブーノスからメーデイアまで

コリントス:目次へ ・前へ ・次へ (上:アクロコリントス) ある伝説では、ブーノスとメーデイアの間には何人ものコリントス王が存在したことになっています。それによれば、ブーノスの死後、エポーペウスが王位を継承しました。エポーペウスは当時シキュ…

コリントス(1):はじめに

コリントス:目次へ ・次へ コリントスはギリシア本土のペロポネーソス半島の附け根にある町で、そこは大地が狭くなっており、交通の要衝となっていました。町の北と東南の2方向から海が迫っています。そして町の北にはレカイオーンという名の港が、東南に…

コリントス:目次

都市一覧へ 1:はじめに コリントスはギリシア本土のペロポネーソス半島の附け根にある町で、そこは大地が狭くなっており、交通の要衝となっていました。町の北と東南の2方向から海が迫っています。そして町の北にはレカイオーンという名の港が、東南には…

エリュトライ(8):ペルシア戦争

エリュトライ:目次へ ・前へ その後、ペルシアはギリシア本土に侵攻します。BC 490年の1回目の侵攻にエリュトライが従軍を強いられたかどうかよく分かりませんが、BC 480年の2回目の侵攻にはおそらく従軍を強いられたと想像します。北から侵入してきたペル…

エリュトライ(7):イオーニアの反乱

エリュトライ:目次へ ・前へ ・次へ 翌年(BC 545年)、ペルシアの将軍ハルパゴスがイオーニアの町々を攻略し始めました。 ハルパゴスはこの時キュロスから司令官に任命され、イオニアに着任するや、彼は盛り土作戦によって次々に町を攻略していった。つまり…

エリュトライ(6):リュディア王国

エリュトライ:目次へ ・前へ ・次へ その後、小アジアの内陸からリュディア王国が隆盛してきました。このリュディア王国がイオーニアのギリシア人都市を攻略し始めるのですが、ヘーロドトスによれば、リュディアの初代の王ギュゲースは、ミーレートスとスミ…

エリュトライ(5):テュロスから来た神像

エリュトライ:目次へ ・前へ ・次へ AD 2世紀の著作家パウサニアースは、エリュトライのヘーラクレースの神域にまつわる由来譚を記していますが、その由来の出来事がどの時代に位置するのか、はっきりしません。私は、この由来の話をここに位置付けようと思…

エリュトライ(4):レーラントス戦争

エリュトライ:目次へ ・前へ ・次へ 非常に断片的な情報なのですが、BC 7世紀かそれ以前にエリュトライがキオスと戦ったという記事があります。これはBC 5世紀の歴史家ヘーロドトスが記述したものです。彼はBC 7世紀の終り頃のリュディア王国によるミーレー…

エリュトライ(3):イオーニア人の到来

エリュトライ:目次へ ・前へ ・次へ 前回ご紹介したパウサニアースの記事の中でパンピュリア人についての記事だけはトロイア戦争後の話です。 エリュトライ人はいうには、彼らは元来ラダマンテュスの子エリュトスとともにクレータ島から来た者であり、この…