神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

クノッソス(5): アリアドネー

クノッソス:目次へ ・前へ ・次へ ともかくも船はクノッソスに到着し、テーセウスとアテーナイの6名の少年たち、アテーナイの7名の少女たちはミーノースに促されて上陸しました。彼らはこのあと監禁され、明日は迷宮に追い込まれることになっていました。迷…

クノッソス(4):ミーノータウロス

クノッソス:目次へ ・前へ ・次へ ミーノースがクレータ島の王に即位する時にそれに異議を唱える人々がいました。その異議を出されたのが、海の神ポセイドーンを祭る儀式の時だったので、ミーノースは、自分がどれだけ神々に愛されているかを人々に示すため…

クノッソス(3):ミーノース王

クノッソス:目次へ ・前へ ・次へ ミーノースには、偉大な統治者であったという評判と、それとは矛盾するような、暴君であったという評判の2つが伝えられています。そして話としてまとまって伝わっているのは後者のほうで、それというのもそれがアテーナイ…

クノッソス(2):ヨーロッパという名前の由来

クノッソス:目次へ ・前へ ・次へ BC 5世紀の歴史家で「歴史の父」と呼ばれるヘーロドトスは、このエウローペーの伝説を妙に脱神話化した話を伝えています。 名前は伝わらないが、なにがしかのギリシア人が、フェニキアのテュロスへ侵入し、王の娘エウロペ…

クノッソス(1):エウローペー

クノッソス:目次へ ・次へ クレータ島はエーゲ海で一番大きな島で、この島より北側がエーゲ海、南側がリビア海と呼ばれています。つまりエーゲ海の南の境になっているのがクレータ島です。クノッソスはこのクレータ島の北岸の真ん中あたりに位置しています…

クノッソス:目次

都市一覧へ 1:エウローペー クレータ島はエーゲ海で一番大きな島で、この島より北側がエーゲ海、南側がリビア海と呼ばれています。つまりエーゲ海の南の境になっているのがクレータ島です。クノッソスはこのクレータ島の北岸の真ん中あたりに位置していま…

テーノス(7):サラミースの海戦

テーノス:目次へ ・前へ この時のペルシア軍のギリシア侵攻は、アテーナイによってマラトーンの戦いで食い止められます。彼らはアテーナイに敗北してペルシアへ引き返していきました。とはいえ、テーノス人はペルシアの軍事力の大きさを印象付けられたので…

テーノス(6):ペルシア軍の侵攻

テーノス:目次へ ・前へ ・次へ この時のペルシア軍のナクソス侵攻は失敗しました。しかし、ペルシアは9年後(BC 490年)にまたナクソスに侵攻します。今回はナクソスだけでなく、アテーナイとエレトリアをも標的にしていました。というのは、BC 499年にペ…

テーノス(5):ポリュクラテース

テーノス:目次へ ・前へ ・次へ テーノスはBC 6世紀後半サモスの僭主ポリュクラテースの支配下にあったかもしれません。少なくともテーノス島のすぐ近くにあるデーロス島は一時期ポリュクラテースの支配下にありました。そのことからテーノスも同じようにポ…

テーノス(4):レーラントス戦争

テーノス:目次へ ・前へ ・次へ BC 8世紀頃、ギリシア世界の中で一番繁栄していたのは、エウボイア島のまん中あたりにある2つの都市、カルキスとエレトリアでした。ところで、このカルキスとエレトリアはBC 710年頃から戦争状態になります。原因は、両都市…

テーノス(3):カーリア人

テーノス:目次へ ・前へ ・次へ (上:デーロス島) テーノスが登場する神話として私が見つけることが出来たのは以上の2つだけでした。そこで次に、テーノス島の近くにあるデーロス島に関する伝説のなかにテーノスの姿が何か見えないかと思って、調べてみ…