神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

メガラ(19):プラタイアの戦い

メガラ:目次へ ・前へ パウサニアースは以上のようなアルテミス女神の奇跡譚を記していますが、ヘーロドトスはまったく記していません。ペルシア軍がメガラ地方で破壊活動を行なったのちに撤退したのは、コリントス地峡にギリシア軍が集結したという報せを…

メガラ(18):ペルシア軍侵攻

メガラ:目次へ ・前へ ・次へ メガラ人たちは神々に祈るだけではなく、ペルシア軍に実際に立ち向かいもしました。ペルシアに対して抗戦する意志を示した他のギリシア諸都市とともに、テッサリア(ギリシア北部地方)に軍船20隻を派遣したのです。しかし、こ…

メガラ(17):エウパリーノス

メガラ:目次へ ・前へ ・次へ テオグニスの同時代のメガラ人としては、土木技術者のエウパリーノスがいます。彼はサモス島の僭主ポリュクラテースに招かれて、サモスの町へ水を供給するための水路を建設しました。この水路は、サモスの町の背後にひかえる山…

メガラ(16):テオグニス(2)

メガラ:目次へ ・前へ ・次へ 私にとってはテオグニスの詩は当時のメガラの政情が垣間見えるというところに興味があります。次の詩は、BC 545年にイオーニア地方のギリシア諸都市がペルシアによって占領された事件に関係しているように読めます。 私につい…

メガラ(15):テオグニス(1)

メガラ:目次へ ・前へ ・次へ テオグニスは教訓詩というジャンルの詩人で、おそらくアテーナイのソローンの活躍した時代より1世代あとにメガラで活躍した人物です。ただし、彼の生涯についてはほとんど分かっていないそうです。生れた町もギリシア本土のメ…

メガラ(14):サラミース島

メガラ:目次へ ・前へ ・次へ サラミース島は、メガラとアテーナイの間に位置しています。神話時代はアイギーナ島の初代の王アイアコスの息子にあたるテラモーンや孫のアイアースがサラミース島の王であることに示されるようにアイギーナ島と深い関係にあっ…

メガラ(13):テアゲネース

メガラ:目次へ ・前へ ・次へ 植民市としてビューザンティオンを建設したBC 667年頃のメガラの政体は、おそらく貴族制であったと推測します。しかし、その後十数年のうちにテアゲネースという人物が政権を握り、僭主になったようです。同じ頃、隣のコリント…