神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

トロイゼーン(1):起源

トロイゼーン:目次へ ・次へ トロイゼーンはエーゲ海の西側、つまりギリシア本土側にあり、アテーナイと同じようにサロニコス湾のほとりに位置しています。サロニコス湾のまん中にはアイギーナ島(現代名エギナ島)が浮かんでいますが、そのアイギーナ島を…

トロイゼーン:目次

都市一覧へ 1:起源 トロイゼーンはエーゲ海の西側、つまりギリシア本土側にあり、アテーナイと同じようにサロニコス湾のほとりに位置しています。サロニコス湾のまん中にはアイギーナ島(現代名エギナ島)が浮かんでいますが、そのアイギーナ島をはさんで…

コロポーン(9):モプソス

コロポーン:目次へ ・前へ 「(1)」や「(2)」に登場したモプソス、つまり女預言者マントーの息子モプソスが、歴史上の人物である可能性がある、という記事が英語版のWikipediaの「モプソス」の項に載っていました。 それによれば、1946年から47年にか…

コロポーン(8):その後のコロポーン

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ コロポーンはクセノパネースの最晩年にペルシアの支配を脱しましたが、今度はアテーナイの支配下に入ります。コロポーンはデーロス同盟に参加し、同盟からは負担金として年3タラントンを課せられました。一方、コロポーン…

コロポーン(7):クセノパネース(2)

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ 真理は人間から覆い隠されており、人間は探求によって真理に少しずつ近づくことが出来る、と考えるクセノパネースは、当時の人々が神々について持っている概念についても、批判的な目を向けました。当時の人々が神々につい…

コロポーン(6):クセノパネース(1)

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ 哲学的な詩を書いて、ギリシア世界のあちこちを放浪したクセノパネースは、BC 570年頃コロポーンに生れました。彼が少年だった頃、コロポーンはリュディア王国の支配を受けるようになりました。幸いなことにリュディアの支…

コロポーン(5):ミムネルモス

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ ミムネルモスはBC 7世紀のコロポーン出身の詩人です。ミムネルモスの生涯ははっきりしませんが、コロポーンで生まれ、やがてスミュルナに渡り、最後はスミュルナがリュディア軍に包囲される中で死んでいったようです。この…

コロポーン(4):BC 7世紀

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ イオーニア人入植後のコロポーンについて伝説はあまりありません。それでも何とか拾ってみましょう。 パウサニアースによると、クラゾメナイを建設したイオーニア人グループは、クラゾメナイ建設以前のある時期、コロポー…

コロポーン(3):イオーニア人の到来

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ 古典時代、コロポーンはイオーニア人の町でした。しかし、今までの話ではイオーニア人は登場していません。ではいつ、どのようにしてイオーニア人はコロポーンに到来したのでしょうか? パウサニアースによれば、モプソス…

コロポーン(2):聖地クラロス

コロポーン:目次へ ・前へ ・次へ コロポーンから海辺の町ノティオンに向う途中の、かなりノティオン寄りのところにクラロスのアポローン神殿がありました。 (コロポーン、クラロス、ノティオンの位置関係) デルポイのアポローン神殿と同じく、ここにも神…

コロポーン(1):起源

コロポーン:目次へ ・次へ コロポーンは小アジアのイオーニア地方にあった町です。コロポーンというのは頂上という意味だそうです。この町のそばには神託の神アポローンの聖所クラロスがありました。BC 7世紀のコロポーン出身の詩人ミムネルモスによればコ…