神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

テーラ(9):最終回:アトランティス?

テーラ:目次へ ・前へ この頃のテーラについて、ギリシア側の伝承は何かないのでしょうか? まず思いつくのはヘーロドトスが記している以下の記事です。 現在テラと呼ばれている島は、以前はカリステと呼ばれていたがこれは同じ島で、当時はフェニキア人ポ…

テーラ(8):アクロティリ

テーラ:目次へ ・前へ ・次へ このテーラに関する物語の最初で昔テーラが大きな島であって、それが火山の大爆発によって今の形になったという話を紹介しました。この大爆発の時にまだテーラにはギリシア人は来ていませんでした。その爆発は最近の説ではBC 1…

テーラ(7):その後のテーラ

テーラ:目次へ ・前へ ・次へ BC 6世紀、テーラはギリシア本土のアテーナイやコリントスと、エーゲ海東岸のイオーニア地方あるいはそれに近いロドス島、とを結ぶ貿易の中継点として栄えました。BC 515年にスパルタの王子ドリエウスがリビアに植民市を拓こう…

テーラ(6):キューレーネー植民の裏側

テーラ:目次へ ・前へ ・次へ さて、キューレーネーが繁栄したため、この植民の物語はハッピーエンドで終わっているように見えますが、仔細に見ていくとなかなか深刻な状況だったように見えてきます。 たとえば、前回の「テーラ(5):バットス 」で、リビ…

テーラ(5):バットス

テーラ:目次へ ・前へ ・次へ テーラではその後、街づくりが順調に進んでいったようです。残念ながらテーラースの一行がテーラを建設して(BC 9世紀と推定されています)からBC 630年頃までの出来事は今に伝わっていません。そこで話をBC 630年頃まで進めま…

テーラ(4):ミニュアイ人たち

テーラ:目次へ ・前へ ・次へ テーラースがテーラに植民したところに話を戻します。 テーラースはこの時、スパルタで政府に反抗していたミニュアイ人たちを一緒に連れていきました。ミニュアイ人というのはオルコメノスやという町を拠点とする人々のことで…