神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

スキューロス(5):テーセウスのアテーナイ帰還(2)

スキューロス:目次へ ・前へ ・次へ テーセウスの遺骨がアテーナイに帰還した話の周辺には、いろいろ話がありますので(スキューロスから話が外れてしまうのですが)ご紹介したいです。 まず、デルポイの神託がアテーナイに対して「テーセウスの骨を持ち帰…

スキューロス(4):テーセウスのアテーナイ帰還(1)

スキューロス:目次へ ・前へ ・次へ ペルシア海軍にギリシア側が勝利したサラミースの海戦(BC 480年)から数年しか経っていないBC 476年あるいは475年にデルポイのアポローン神の神託はアテーナイ人に対して「テーセウスの骨を持ち帰って、自分たちのそばに…

スキューロス(3):パンモン

スキューロス:目次へ ・前へ ・次へ トロイア戦争が終わったあとは、どの町についても伝説の内容が貧弱になり、闇に消えていってしまいます。スキューロスの場合は、ネオプトレモスがトロイアに向ったあとが、まったく伝えられていません。それでも何か残っ…

スキューロス(2):アキレウスと息子のネオプトレモス

スキューロス:目次へ ・前へ ・次へ 若きアキレウスは、母親である女神テティスによって女装させられたうえで、スキューロスのリュコメーデースの宮廷に送られました。その訳は、女神テティスにはトロイアで戦死するという息子の運命が分かっていて、何とか…

スキューロス(1):テーセウスの最期

スキューロス:目次へ ・次へ スキューロス島はエーゲ海の中でやや孤立した場所にあります。アテーナイ王テーセウスが住民の反乱にあった時にこの島に逃げたという伝説がありますが、テーセウスが逃亡先にここを選んだのは、この孤立した位置も理由のひとつ…

スキューロス:目次

都市一覧へ 1:テーセウスの最期 スキューロス島はエーゲ海の中でやや孤立した場所にあります。アテーナイ王テーセウスが住民の反乱にあった時にこの島に逃げたという伝説がありますが、テーセウスが逃亡先にここを選んだのは、この孤立した位置も理由のひ…

アンドロス(7):その後のアンドロス

アンドロス:目次へ ・前へ ギリシア勢がペルシア勢をエーゲ海から駆逐すると、アンドロスとしてもギリシア諸都市と和解せざるを得なくなりました。アテーナイが対ペルシア軍事同盟であるデーロス同盟を組織すると、アンドロスはこれに参加しました。しかし…

アンドロス(6):ペルシア戦争

アンドロス:目次へ ・前へ ・次へ この時のナクソス侵攻は、ミーレートスの僭主アリスタゴラスとペルシアの高官アルタプレネスが仲たがいしたために失敗しました。しかし、BC 490年にはペルシアは態勢を立て直してナクソスに侵攻し、これを占領しました。そ…

アンドロス(5):植民活動

アンドロス:目次へ ・前へ ・次へ エレトリアから独立したアンドロスはBC 650年頃、カルキディケー半島に4つの植民市を建設しました。それらはアカントス、スタゲイラ、アルギロス、サネーという町です。英語版のWikipediaの「アカントス」の項によれば、ア…

アンドロス(4):レーラントス戦争

アンドロス:目次へ ・前へ ・次へ BC 8世紀頃、ギリシア世界の中で一番繁栄していたのは、アンドロス島の北にあるエウボイア島でした。その中でもエウボイアのまん中あたりにある2つの都市、カルキスとエレトリアが繫栄していました。地理学者ストラボーン…