神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アカントス(1):創建

アカントス:目次へ ・次へ エーゲ海の北西の沿岸地域はカルキディケー地方と言います。エウボイア島の町カルキスの植民市がこの地方に多く建設されたためにカルキスにちなんでこう名付けられました。このカルキディケー地方には南に向けて半島が3つ伸びて…

アカントス:目次

都市一覧へ 1:創建 エーゲ海の北西の沿岸地域はカルキディケー地方と言います。エウボイア島の町カルキスの植民市がこの地方に多く建設されたためにカルキスにちなんでこう名付けられました。このカルキディケー地方には南に向けて半島が3つ伸びていて、…

ケオース(15):その後のケオース

ケオース:目次へ ・前へ ケオースはアテーナイを盟主とするデーロス同盟に参加していました。そのためBC 431年にペロポネーソス戦争が始まると、ケオースはアテーナイに兵力を提供しました。この頃までにアテーナイは同盟諸国を自分の都合で動かせるほど強…

ケオース(14):ケオースの宗教風土

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ 前回の「(13):プロディコス(2)」で季節の女神たちホーライや農業の神アリスタイオスが登場したので、ホーライやアリスタイオスに関する記述を調べてみました。まずはホーライについてです。 さてヘーレーは鞭を執(…

ケオース(13):プロディコス(2)

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ ここまで書いたところで、ネットで「ソフィスト・プロディコスの宗教思想」(中澤務 関西大学教授 著)という面白い論文を見つけました。読んでみて、学者はさすがだな、と思いました。この論文の主題は、古代の書物に引用さ…

ケオース(12):プロディコス(1)

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ ケオース島は、シモーニデース、バッキュリデースという詩人を生み出した以外にも、ソフィスト(知恵者)と言われる人も生み出しています。ソフィストと呼ばれたプロディコスはケオース島のイウーリスの出身だと言います。例…

ケオース(11):バッキュリデース

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ ケオース生まれの詩人シモーニデースには妹がいました。その妹は自分の生まれた町であるイウーリスに住む男性と結婚し、息子が生まれました。その息子は祖父(父親の父親)の名をとってバッキュリデースと名付けられました。…

ケオース(10):ペルシア戦争

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ 今までシモーニデースの生涯を追ったところでペルシア戦争が登場しましたので、ペルシア戦争とケオースの関わりを調べていきます。 ギリシア本土がペルシアとの戦争に巻き込まれた原因は、BC 499~493年のイオーニアの反乱で…

ケオース(9):シモーニデース(3)

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ しかし当時のテッサリアの宮廷では文芸への理解があまりありませんでした。こんな話が伝わっています。スコパスという名のスコパス家の当主はシモーニデースに、ある拳闘家の勝利を祝する讃歌を書くよう依頼してきました。シ…

ケオース(8):シモーニデース(2)

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ BC 480年のテルモピュライの戦いの時シモーニデースは何歳だったでしょうか? 当時の人々の誕生年はなかなかはっきりしないのですが、多くの学者の説ではシモーニデースの誕生年はBC 556年だそうです。それを元に計算すると…

ケオース(7):シモーニデース(1)

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ 今までは伝説上の人物の話でしたが、ここからは実在の人物の話になります。シモーニデースはケオース島の町イウーリスに生れ、のちに競技会の優勝者への頌歌や戦死者の墓碑銘の作者として有名になりました。しかし彼の生涯は…

ケオース(6):アコンティオスとキューディッペー

ケオース:目次へ ・前へ ・次へ 次にご紹介するケオースにまつわる伝説は、ケオース生れの美少年アコンティオスとアテーナイ生れの美少女キューディッペーの物語です。 アルテミスのことを歌おう。その矢は黄金作りで、御神は猟犬を励まし給う。 けがれなき…