神話と歴史の間のエーゲ海

古代ギリシアの、神話から歴史に移るあたりの話を書きました。

グリューネイア:目次

1:起源

グリューネイアはレスボス島の東の大陸側にある町で、レスボス島の諸都市と同じアイオリス系のギリシア人による町でした。グリューネイアはその名前に異称が多く、グリューニア、グリューネイオン、グリューニオン、グリューノイとも呼ばれました。のちにローマ人からはグリューネイウムとかグリューニウムとか呼ばれています。BC 5世紀の歴史家ヘーロドトスは、大陸(今のトルコ)のエーゲ海沿岸にあるアイオリス人の町を12挙げていますが、その中にグリューネイアがあります。以上がイオニアの諸市であるが・・・・


2:アポローンの神託所

さて、「(1):起源」でご紹介した創建伝説ではグリューネイアとペルガモンの2つの都市が並んで登場していました。このうちペルガモンはのちのヘレニズム時代にペルガモン王国の首都として大いに栄えました。しかし、その前の古典期にはあまり名の知られていない都市でした。ギリシアの文献にペルガモンの名前が初めて登場するのはクセノポーンの「アナバシス(一万人の退却)」で、これはBC 399年よりあとのことです。一方、グリューネイアはBC 450年頃のヘーロドトスの「歴史」に登場しており・・・・